2022年7月某日に、突如チューダーの公式サイトで始まったカウントダウン。
それは前年の「ペラゴスFXD」に続くチューダーの“隠し玉的”な新作を予感させるもので、多くの時計ファンの関心を集めることにも成功しました。
ノースフラッグのNEWモデル?
ブラックベイプロの白文字盤か?
様々な憶測が飛び交う中で登場したのは、おそらくファンの間でも誰も予想していなかった新しい「レンジャー」。
レンジャー【79950】は偉大な歴史をリスペクトしながら、現代の優れたマニュファクチュールキャリバー(MT5402)を搭載したモデル。
クイックアジャストクラスプの採用や、39mmという使い勝手のいいケースサイズも注目に値するところです。
目次
チューダー レンジャー【79950】のケースの厚さや重量は?
レンジャーのケースの大きさは、冒頭でもお伝えしたとおり39mm。
ケースの厚さは12mmです。
全体の重量は3コマ外した状態で約135g。
※あとで余りコマ込みで測ったところ、約146gありました。
ケースの上にぷっくり盛り上がった風防がレトロな雰囲気。
「薄くて着けやすい」という感覚もなければ、特に厚みを感じることもありません。
ケースの大きさは同じ39mmのブラックベイ58と並べてみると、文字盤の面積によるところか、やや大きく感じます。
腕に乗せると適度に存在感があり、当初から大きすぎると感じることはありませんでした。
ケースとブレスの重量バランスは良く、着け心地についても特に不満はありません。
厚さ、大きさ、重量のどれをとっても「適度に存在感がある」という言葉が、このレンジャーにはしっくりくるような気がします。
どこにも物足りなさは感じられず、逆に使いにくさの原因となりうる過剰な部分も見当たりません。
チューダー レンジャー【79950】の質感、デザイン、性能について
レンジャーのケースとブレスは、ほぼ全ての部分がサテン仕上げ。
言い換えれば、ポリッシュの部分が極めて少ないのが大きな特徴といえるでしょう。
多くの時計においてスムースベゼルは、ポリッシュ仕上げが採用されています。
しかし、レンジャーはスムースベゼルもサテン仕上げ。
そればかりかケースの側面も、ブレスに至ってはその全てがサテン仕上げです。
なんと着用時には見えない、バックルの細部までもがサテン仕上げという徹底ぶり。
ポリッシュの部分が極めて少ないため、細かなキズは目立ちません。
何気に指紋が目立たないのも嬉しいところです。
文字盤はマットな質感のブラック。
インデックスは、スーパールミノバで描かれています。
黄緑がかったインデックスが、ツールウォッチとしての無骨さを表しているようです。
文字盤は、一切凹凸がない平面的なデザイン。
それがほぼサテン仕上げのみのケースやブレスと相まって、いかにも“道具”的な雰囲気を醸し出しています。
「RANGER」の表記しかないのは、おそらく視認性を考慮しているからだと思います。
そのせいで文字盤の空白が目立ち、やや間延びしたように見えてしまうのは気のせいでしょうか。
唯一ポリッシュ仕上げになっているのは、ベゼルのエッジ。
盛り上がった風防と共に、単調になりそうな見た目に変化と質感を与えているようです。
全体的に高級感はあまりないかもしれません。
かといって、チープな印象も全くありません。
レンジャーが探検家をリスペクトしたツールウォッチであることを考えると、これが最良の仕様と理解するのが正しいように思います。
チューダー レンジャー【79950】の評価・評判
TwitterやInstagram、YouTubeのコメント欄には、レンジャーに関する書き込みが多く見られます。
- TUDORらしくて魅力的
- 圧倒的なコストパフォーマンス
- ヴィンテージ感のあるデザインがたまらない
- 39mmのサイズ感が良い
- 昔のエクスプローラー(ロレックス)のような見た目がカッコイイ
- 「道具感」が全面に出ていて、現行のロレックスにはない部分を補完してくれている
上記のようなポジティブなコメントが目立ちます。
- インデックスと針のデザインが好みではない
- 文字盤が平面的で安っぽく見える
- 34mmか36mmで出してほしかった
逆にネガティブなコメントも、チラホラとですが見受けられます。
とはいえ、数で言えばポジティブなコメントの方が圧倒的。
以上のことから、レンジャーは「評判がいい」「評価が高い」といって間違いなさそうです。
チューダー レンジャー【79950】の定価とスペック
Ref. | M79950-0001 |
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ケース | 39mmスチール製(サテン仕上げ) |
ベゼル | スチール製スムースベゼル(サテン仕上げ) |
風防 | ドーム型サファイアクリスタル |
ダイアル | ブラック |
リューズ/プッシャー | スチール製スクリュー式 |
ブレスレット | スチール製3列リング、「T-fit」セーフティキャッチ付きフォールディングクラスプ |
ムーブメント | 自動巻き、マニュファクチュールキャリバー MT5402(COSC) |
パワーリザーブ | 約70時間 |
防水性能 | 100m |
定価(国内正規販売価格) | 464,200円(税込)※2024年4月現在 |
レンジャーにはブレスレット(M79950-0001)の他に、
- レザー&ラバーライニングのストラップ(Ref.M79950-0002)
- ファブリックストラップ(M79950-0003)
のモデルもあり、定価はどちらも419,100円(税込)です。
ストラップのみを追加でオーダーして、付け替えを楽しむこともできます。
チューダー レンジャー【79950】のレビューまとめ
「T-fit」セーフティキャッチ付きフォールディングクラスプは、工具無しで簡単に8mmの長さを5段階で調節できます。
ブラックベイ58のブロンズ(Ref.M79012M-0001)やブラックベイプロ(M79470-0001)も「T-fit」ですが、「T-fit」が採用されているモデルはまだそう多くありません。
搭載するマニュファクチュールキャリバーMT5402は、約70時間のパワーリザーブで、クロノメーター認定を取得しているムーブメントです。
クロノメーター認定の基準が日差-4秒から+6秒であることからも、その精度の高さには信頼がおけます。
これだけのスペックを有していながら464,200円(税込)という価格設定は、かなり魅力的です。
ちなみに、レンジャーは、昨今のチューダーのモデルにありがちなリベットブレスレットではなく、防水性能もブラックベイシリーズよりは劣る100m防水です。
購入の際は、デザインやサイズ感の好みだけでなく、このあたりのスペックの違いも認識しておきたいところです。
また、ツールウォッチであるが故に
- 洗練
- 都会的
- ラグジュアリー
といった要素は、レンジャーにはありません。
そういった時計がお好きであれば、レンジャー以外を検討するのも良いかもしれません。