チューダーの評価と将来性を機械式時計愛用歴17年の立場から考察してみた

かつて日本では一部の時計好きにしか知られていなかった「チューダー」というブランド。

それが近年、ファッション感度の高い若者や女性からも注目を集めるようになったのは、過去のチューダーを知る人からすれば信じられないことかもしれません。

この記事では、そんなチューダーの過去・現在・未来について書いてみようと思います。

T.A.
私は機械式時計が大好きで愛用歴は17年。
チューダーの時計は、手放してしまった物も含めると計7本を所有してきました。

予めお伝えしておきたいのは、チューダーの評価は今後さらに上がる可能性があり、時計としても「資産」としても将来性がかなり期待できるということ。

少しでもチューダーに興味をお持ちでしたら、ぜひ最後まで読んでみてください。

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チューダーの誕生と「プアマンズ・ロレックス」と揶揄された過去

機械式時計 チューダー 評価 将来性

チューダーは、1926年に腕時計のディーラー兼メーカーであるヴーヴ・ドゥ・フィリップ・ヒュンターによって立ち上げられました。

その後、ロレックスの創業者であるハンス・ウイルスドルフがスイスのジュネーブに会社を設立し、チューダーの独占的使用権を取得しています。

かつて、ハンス・ウィルスドルフは、ロレックスの経営に苦慮していた時期があったようです。

また、同社製品の強みであるオイスターケースやオイスターブレスを広く世の中に普及させるための方法を模索し続けていました。

その時、ふと汎用ムーブメントを搭載するなどしてコストダウンを図り、ロレックスとは別の安価で高品質な時計を販売することを思い付きます。

そんな、いわばロレックスの廉価版を供給するためのブランドとして位置付けられたのが、このチューダーだったというわけ。

となれば、レンジャー、サブマリーナ、オイスタープリンスなどのチューダーの歴代モデルが、ロレックスのデザインに酷似していたのも、ある意味必然といえるでしょう。

しかし、当時のチューダーに対する評価としては、「プアマンズ・ロレックス」という良からぬ言葉も色々なところで囁かれていました。

つまり、チューダーはロレックスが買えない人の時計だとして、馬鹿にする人もいたということです。

ちなみに、これはあまり知られていないことですが、1970~1990年頃に、スイスのリーベルマン・ウェルシュリー社という総合商社によって、チューダーが日本で正規展開されていた時期がありました。

ただ、当時のチューダーは人気も業績もあまり芳しくなかったようで、一度撤退を余儀なくされています。

昨今チューダーの人気が高まっている理由

機械式時計 チューダー 評価 将来性

チューダーは2010年に、1970年代初頭のクロノグラフからインスピレーションを得たヘリテージクロノ(Ref.M70330N)を発表。

2012年には、こちらも1970年代の名作、通称「イカサブ」を再現したブラックベイ(Ref.M79220R)とペラゴス(Ref.M25500TN)の2つのモデルを相次いで発表しました。

これらは、言ってみればチューダーのリバイバル製品の先駆けであり、今日のチューダーの快進撃のきっかけであったことは間違いありません。

その後ブラックベイには、2018年のチューダーの日本上陸と時を同じくして、ブラックベイGMT(Ref.M79830RB)とブラックベイ58(Ref.M79030N)が加わり、どちらも大ヒットを飛ばしたのは記憶に新しいところです。

2021年にはシルバー、ブロンズ、セラミックといった異素材のモデルが拡充されたことで、ブラックベイの人気と注目度はさらにアップしています。

今やチューダーは、ロレックスのディフュージョンブランドというイメージからは脱却し、独自の路線を歩みつつあります。

その一方で、未だにロレックスとは深い関わりがある点も、ファンにとっては大きな魅力になっています。

修理やオーバーホールを日本ロレックスに依頼できるのは、チューダーが持つ付加価値の1つです。

ディフュージョンブランドからは脱却しつつも、どこかにロレックスを感じさせるデザイン。

それでいて、ロレックスにはない大胆な素材使いなどは、時計のキャラクターが被らないように上手く棲み分けができています。

棲み分けといえば、価格設定についても、かなり戦略的に行われています。

チューダーとロレックスの「同類」のモデルを比較してみると、どれもチューダーの定価はロレックスの半額かそれよりも少し安価に設定されているのは、決して偶然ではないでしょう。

ロレックスは高価な上に、現在は正規店に全くと言っていいほど在庫がありません。

そのような状況で、よりチューダーの時計としての魅力とコスパの良さが際立ち、ファンを惹き付けているのではないでしょうか。

【予想】チューダーの将来はどうなるか?

機械式時計 チューダー 評価 将来性

2021年8月と2022年1月にチューダーとロレックスは、揃って価格改定(値上げ)を行いました。

T.A.
ここからは完全に私の予想ですが、ロレックスに関しては今後も段階的に価格を引き上げ、ブランドとしてもより高級路線にシフトしていくのではないでしょうか。

ロレックスがパテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンのような、いわゆる「雲上時計」と呼ばれる日も、そう遠くないかもしれません。

ロレックスも、現在の異常なまでの需要過多をただ見過ごしているわけではないでしょう。

需要過多を解消するために、より高級化を図ることでターゲットを富裕層に絞るというのは、企業の戦略としても正しいはずです。

安易に供給量を増やすことは、ブランド価値の低下に繋がりますし、ロレックスがそのようなことをするとは到底思えません。

チューダーは、今のロレックスと同等まではいかないにしても、それに近いポジションを目指しているかもしれません。

ロレックスの購入を断念した層が今後チューダーにシフトし、チューダーの需要がより拡大する可能性も十分にあります。

そうなれば、チューダーもある程度高級化を進めていくのが、必然であると考えられます。

ファンの多くも、価格に見合った価値があれば、今よりも高級なチューダーを喜んで受け入れるのではないでしょうか。

T.A.
チューダーが、私を含め大衆にとっての憧れのブランドになる日が来るかもしれません。
近年、新作が出る度に多くの注目を集めるようになりました。
メーカーとしての実力も確実に上がってきているので、将来が楽しみで仕方ありません。
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T.A.
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