一部では「見過ごされがち」とか「忘れられた時計」などとも言われているTUDOR(チューダー)のヘリテージクロノ。
このヘリテージクロノブルー(Ref.70330B)も、2013年の発売から今なおTUDORのラインナップにひっそりと(?)残り続けている息の長いモデルです。
そんなヘリテージクロノブルーのデザイン、サイズ感、使用感について徹底的にレビューします。
目次
ヘリテージクロノブルー(70330B)のケースの厚さや大きさは?
ヘリテージクロノブルーのケースの厚さは約14mm、大きさ(幅)は42mmです。
参考までに他の人気モデルと比較してみましょう。
モデル | ケースの厚さ | ケースの大きさ |
---|---|---|
TUDOR ブラックベイクロノ Ref.79360N | 約14mm | 41mm |
ROLEX コスモグラフ デイトナ Ref.116500LN | 約12mm | 40mm |
同じTUDORのブラックベイクロノとは、ケースの大きさが1mm違うだけでほぼ同じ。
ROLEXのデイトナよりは、一回り大きいサイズ感です。
この中では数値上最もボリュームのあるヘリテージクロノブルーですが、腕に乗せてみるとそれほど大きくは感じません。
ケースは勿論、ラグもしっかりと腕の中に収まっているので、決して大き過ぎることはありません。
厚さに関してはシャツの袖に何とか収まるので、取り敢えずは許容範囲。
ただ、袖には頻繁に引っかかるので、それがストレスに感じる人もいるかもしれません。
とはいえ、約14mmという厚さは、機械式クロノグラフとしては特別厚いわけではありません。
重量は162g(余りコマ分は含まない)。
重いといえば重いですが、こちらに関してもSSブレスの機械式クロノグラフとしては標準的なレベルです。
むしろ、適度に重量感があって、それが高級感や安心感というメリットとして解釈できます。
装着感も特に問題はなし。
ケースの重みでグラグラしたり、不安定さを感じたりすることもありません。
ケースとブレスの重量バランスはかなり良いと思います。
ヘリテージクロノブルー(70330B)の評価・評判
Tudor ヘリテージクロノ 写真より実物の方がカッコよくて腕につけるとポップな色合いがカジュアルな服装にマッチして気取らない感じがgood。 店員さんとは仮面ライダーっぽくて可愛いよねって話してた。 先日の価格改定の適用から外れてたのでディスコン疑惑あり、知らんけど。 pic.twitter.com/TotGIIvibf
— 東雲 (@ShinonomeAA) January 24, 2022
チュードルのヘリテージクロノ🛡 モンテカルロちゃん🇲🇨 色が素敵✨ ロレックスは買えないからチューダーって人もいるかもだけど僕はチューダーが好きです😊 (ちなみにロレックスは買えません🤣)
#チューダー pic.twitter.com/tURo7B8xI9 — タカミー (@caraudicar) January 12, 2020
2021/1/29新入荷
チューダー ヘリテージ クロノグラフ ブルー M70330B-0004 1971年に発表された1977年頃までラインナップされた名機モンテカルロ 現代に復活させたヘリテージクロノは2010年に発表されました 独創的で個性的なフェイスが今なお人気の高いモデルですhttps://t.co/x8ppaH4R2B pic.twitter.com/qUmWVqaZas — れんず RENZU (@nakano_renzu) January 29, 2021
ヘリテージクロノブルーに関する評価や口コミは、ネット上にそれほど多くありません。
それでも、ヘリテージクロノブルーが気になっている人や既に所有している人からは、デザイン、カラーリング、レトロな雰囲気を高く評価する声が目立ちます。
ロレックスが好きで、この時計にも興味があるという人は少なくありません。
ロレックスでは有り得ないデザインが、そんな人たちを魅了しているのかもしれません。
「欲を言えばあと1~2ミリケース径が小さければ」という声もありますね。
サイズ感も人それぞれ好みがありますし、細腕の人にはこのヘリテージクロノブルーは大き過ぎる可能性があります。
ケースの厚さや全体の重量も使用感に大きく関係するので、実物を見ずにネットで購入するよりは、一度手に取って自分に合うかどうかを確かめてみたほうが良さそうです。
手にして実感したヘリテージクロノブルー(70330B)の魅力
- 1970年代を彷彿とさせるレトロ且つ個性的なデザイン
- ケースやブレスをはじめ随所に堅牢性の高さが感じられる
- 信頼性の高いムーブメントで将来的にメンテナンスも安心
以下に詳しく解説します。
1970年代を彷彿とさせるレトロ且つ個性的なデザイン
ヘリテージクロノブルーは、TUDORが1970年代前半に発売した名品Ref.7169(通称モンテカルロ)にインスパイアされたモデルです。
文字盤は単に個性的なのではなく、そこに歴史的背景が存在することで所有する喜びを満たしてくれます。
レトロフューチャーなデザインは、いつの時代にも廃れることはありません。
それどころか、常に見る人に新鮮さを与えてくれる不思議な魅力に溢れています。
ブルー、オレンジ、アイボリーの3色が、絶妙なバランスで配置されています。
6時位置の日付表示は、この時計の雰囲気を壊さないように敢えて目立たなくしているように感じます。
鉛筆で書いたような味のある書体も、レトロなデザインとマッチしています。
ケースやブレスをはじめ随所に堅牢性の高さが感じられる
ケースの形は、TUDORならではのかまぼこ型。
ブレスは幅が広く、1つ1つのコマも肉厚な3連ブレス。 どちらも手にした瞬間に堅牢性の高さを感じられる、とてもガッチリとしたつくりです。
風防は耐傷性に優れたサファイアクリスタルで、防水性能は150m防水。 リューズガードも付いているなど、実用性に長けている点もこの時計の大きな魅力です。
信頼性の高いムーブメントで将来的にメンテナンスも安心
ヘリテージクロノブルーに搭載されているキャリバーT401は、ETA289Xをベースにデュボワ・デプラのクロノグラフを上に載せた2階建てムーブメントです。
キャリバーT401のパワーリザーブは約42時間で、精度も突出して良いというわけではありません。
ただ、汎用ムーブメントなだけに他の多くの時計への採用実績があり、市場に多く流通しているという側面も持ち合わせています。
そのため、購入後30~40年経って仮にTUDORでメンテナンスが受けられなくなったとしても、街の時計修理店ではメンテナンスが受けられる可能性は高いです。
であれば、きっと末永く安心して使えるのではないでしょうか。
ヘリテージクロノブルー(70330B)のイマイチなところ
- ケースはもう少し薄いほうがいい
- プッシャーとロックが小さくて操作し辛い
ケースはもう少し薄いほうがいい
先にも書いた通り、ヘリテージクロノブルーのケースの厚さは、シャツの袖に何とか収まる程度です。
シャツの袖には頻繁に引っかかります。
これがもう少し薄ければ、使いやすさがアップすることは間違いありません。
ちなみに、ヘリテージクロノブルーのケースの厚さは、こちらも先に書いた2階建てムーブメントを搭載していることが関係しています。
プッシャーとロックが小さくて操作し辛い
ヘリテージクロノブルーのプッシャーには、誤操作を防ぐためのロックが付いています。
ロックはねじ込み式で、通常は使用する時だけ緩めて、それ以外の時は締めておきます。
正直、この操作だけでも少し面倒。
にも関わらず、プッシャーおよびロックのサイズが小さいため、ロックを摘んで回すのが結構大変(ハッキリ言って操作性が悪い)です。
でも私自身は滅多に使わないので、そんなに気にはなりません。
ヘリテージクロノブルー(70330B)は生産終了?
この記事を書いている2022年2月現在、ヘリテージクロノブルーが生産終了であるという確かな情報はありません。
そのため、ネットで散見される「ヘリテージクロノ 生産終了」という文字も、おそらく現時点では憶測に過ぎないと言っていいでしょう。
ただ、以下の3つの理由から今年中の生産終了も、可能性としては十分に考えられます。
- 2022年1月1日の価格改定時に、ヘリテージクロノの定価は据え置き(変更なし)だった
- 現行モデルの中では展開期間が長く、スペック的にも色々な部分で古さが目立つ
- 国内外のネット販売における新品の出品数が、かなり少なくなっている
もし今年中に生産終了であれば、それがわかるのは2022年3月30日~4月5日(現地時間)に開催される「Watches and Wonders Geneva 2022」のタイミングが濃厚です。
生産終了になれば、当然入手困難になる可能性も高くなります。
ヘリテージクロノブルー(70330B)の定価とスペック
Ref. | 70330B |
---|---|
ケース | 42mmスチール製(ポリッシュ&サテン仕上げ) |
ベゼル | スチール製両方向回転ベゼル |
風防 | サファイアクリスタル |
ダイアル | オパライン/ブルー |
リューズ/プッシャー | スチール製スクリュー式 |
ブレスレット | スチール製、フォールディングクラスプ&セーフティキャッチ |
ムーブメント | 自動巻き、キャリバーT401 |
パワーリザーブ | 約42時間 |
防水性能 | 150m |
定価(国内正規販売価格) | 514,800円(税込) |
ヘリテージクロノブルー(70330B)のレビューまとめ
今から2年程前までは、このヘリテージクロノブルーが並行店で35~40万円位で売られていました。
また、2018年に日本でTUDORの正規展開が始まるよりも前は、SSブレスとファブリックストラップがセットで売られていた時期もありました。
その頃に比べると、現在の並行相場も定価もすっかり上がってしまいました。
とはいえ、この魅力的なデザインと実用的なスペックからしたら、まだまだお買い得感があると言えるのではないでしょうか。
生産終了が確定し入手困難になれば、今以上に価格が高騰することはまず間違いありません。
手に入れるなら、今がベストのタイミングかもしれませんね。