ベゼルといえば、文字盤と並んで時計の顔ともいえる重要な部分の1つ。
故にベゼルに付いた傷は目立ちやすく、その傷を何とかしたいと思うことも多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなベゼルに付いた傷に対して、どんな修理が可能(または不可能)なのかをまとめています。
ベゼルの傷や打痕の主な原因
いくら時計を大切にしていても、使用する以上は多少の擦り傷や小傷が付いてしまうのは仕方ないことです。
それはステンレスに限らず、チタンやゴールドなど他の素材の時計にも同じことがいえます。
そのため、ベゼルの傷もできればあまり気にしないほうがいいし、気にしすぎは精神衛生的にも良くありません。
深い傷や打痕については、その原因は落下や衝撃である場合がほとんどです。
うっかり落としたり、ぶつけたりしてしまうのもある程度は仕方のないことです。
ただ、使用状況を見直すことで防げる傷や打痕も多くあります。
同じ腕に時計とアクセサリーを一緒に身に着けるのは、意外と深い傷や打痕の原因になりやすいのでおすすめできません。
運動したり、自転車に乗ったり、仕事や家事で何か作業をする時も、なるべく時計を外すようにしましょう。
常に手首周りはシンプルに。
また、状況に応じて傷が付きそうな時は、マメに時計を外す習慣を身に付けたいところです。
それだけで、きっと時計は長くキレイな状態を保てるでしょう。
ベゼルの傷は研磨できる
ベゼルの素材がステンレスやゴールドであれば、大抵研磨することは可能です。
ただ、ベゼルは特に目立つ部分なので、時計修理のプロの中でも特に研磨の技術に長けた職人に作業を依頼したいところです。
軽い擦り傷や小傷であれば、ライトポリッシュで新品同様にキレイになることがあります。
一方、深い傷や打痕は、程度によっては取り切れなかったり、依頼を受けてもらえなかったりすることもあります。
研磨は所詮、金属を削ることに過ぎません。
そのため、一般的にメーカーや修理店で、過度な研磨を勧められることはありません。
あくまでベゼルの形状を崩さないことが大前提なので、深い傷や打痕の研磨については期待しすぎないことも大切です。
ベゼルディスクは交換しかない
ベゼルディスクにはアルミやステンレス、最近ではセラミックなど様々な素材が使われています。
ただ、一般的にどんな素材でも、ベゼルディスクを研磨することはできません。
理由はそもそもベゼルディスクを研磨する技術がない、研磨できてもその上から元のように再塗装することは難しい、など色々なことが考えられます。
修理店では紛失、または割れなど余程大きなダメージがない限りベゼルディスクはノータッチという場合がほとんどです。
どうしても傷が気になる場合、メーカーにベゼルディスクの在庫があれば交換はできるかもしれません。
在庫がない、あるいは在庫があっても部品代が非常に高額な場合は、諦めるのが現実的です。
とはいえ、社外品に交換するという選択肢もないわけではありません。
実際、ロレックスやセイコーの時計を対象にしたベゼルディスクは、個人でもネットで簡単に入手できます。
ベゼルの墨入れとその料金とは?
ロレックスのエクスプローラー2のような、掘り込みがされているタイプのベゼルには墨入れが可能です。
ベゼルのインクは、経年劣化等で徐々に落ちてきてしまうことがあります。
墨入れのみ依頼できる修理店もあるので、必要だと感じたらまずは気軽に相談してみましょう。
ただ、料金については、大体5,000円~と決して安くないのが少々ネックです。
せっかく墨入れを依頼するなら、そのタイミングはオーバーホールや研磨と同時のほうが良さそうです。
修理店によっては、他のメンテナンスと同時に申し込むことで墨入れの料金が安くなることもあります。