お気に入りの時計に錆(サビ)が出たら、誰でもガッカリしてしまうでしょう。
とはいえ、錆は程度によっては、歯ブラシや爪楊枝で簡単に落とせます。
ひどい錆でもプロに任せれば、見違えるようにキレイになることも。
時計の錆は、布拭きや水洗いによって未然に防ぐこともできます。
この記事では、時計の錆の対処方法を具体的にわかりやすく解説します。
時計の錆の原因は?
- 汗
- 皮脂
- 埃(ホコリ)
時計の錆は主に、上の3つが付着した状態を放置することで発生します。
特に汗、皮脂、埃が付着しやすく溜まりやすいのは、肌に直接触れる裏蓋やラグの部分です。
あと、金属ブレスの隙間なども。
上記の箇所ほど錆が発生しやすいのは、言うまでもありません。
また、ダイバーズウォッチを海で使用後、そのままにしておくのも錆の原因になります。
- ステンレス
- チタン
- ブロンズ(銅)
- ゴールド(金)
上の4つは、時計に使われる代表的な素材です。
この中でステンレス、チタン、ブロンズは汗、皮脂、埃などが原因で錆が発生する金属です。
ステンレスとチタンは“錆びにくい”金属で、決して錆びないわけではありません。
ゴールドは錆びない金属として知られています。
ただ、ゴールドも黒ずんだり変色したりすることがあり、その原因もまた汗、皮脂、埃などです。
そのため、どんな時計でも日ごろから汗、皮脂、埃をケアすることが重要であることは間違いありません。
時計の錆を未然に防ぐ方法
時計の錆を未然に防ぐ方法として最も手軽なのは、布で汚れを拭き取ることです。
毎回使用後は布で拭く習慣を身につければ、それだけで時計が錆びてしまうリスクを回避できます。
時計を磨くときは、磨きキズがつかないように、できるだけ柔らかい布を使うようにしましょう。
オススメは、HELI(ヘリ)のマイクロファイバークロスです。
汗をかく夏場は、洗面器に水を張るなどして、定期的に汚れを洗い流すのも効果的です。
ただ、これができるのは防水時計に限ります。
防水時計でも、水で洗うときは下記の点に注意が必要です。
- お湯は使わない
- 洗った後はすぐに水気を拭き取る
- シャワーや蛇口から出る水を直接あてない
- 事前にリューズが閉まっていることを確認する
- 水気を拭き取ったら、風通しの良い場所で日陰干しする
お湯を使わないのは、内部のパッキンが変形してしまう恐れがあるからです。
シャワーや蛇口から出る水は、想像以上に水圧が強いので、時計に直接あててしまうのは危険です。
金属ブレスは、年1~2回を目安に時計店に洗浄を依頼するのも良いでしょう。
金属ブレスの洗浄は、購入店ならサービスで対応してくれるところもあります。
有料の場合、料金の目安は1,000円~3,000円程度です。
時計の錆の落とし方とは
ブレスの隙間などに出たほんのわずかな錆であれば、セルフケアは十分可能です。
ただ、どんな錆であれ、一度時計店などに持ち込んだほうが安心なのは確かです。
時計の外観に錆を見つけたときは、内部も錆びていたり湿気を帯びていたりすることも考えられるからです。
- セルフケアを行う場合
- 時計修理のプロに任せる場合
というわけで、ここでは錆の落とし方について、上の2パターンを解説します。
セルフケアを行う場合
ほんのわずかな錆であれば、歯ブラシや爪楊枝で簡単に落とすことができます。
ただ、時計に傷がつかないように、歯ブラシは毛先が柔らかいものを使うようにしましょう。
爪楊枝も力を入れすぎないように、錆を軽く擦ったり掻き出したりするのがポイントです。
歯ブラシや爪楊枝の先をほんの少しだけ水で湿らすと、錆が落ちやすくなります。
ただ、リューズ周りをケアするときは、水で湿らせないほうが安心です。
予め手元にはティシュペーパーを用意して、浮いた錆は都度拭き取るようにすると、作業はグンとはかどるはずです。
時計修理のプロに任せる場合
- 裏蓋を開ける
- ケースとブレスを別々にする
- ケースからベゼルを取り外す
時計修理のプロであれば、上記のように各パーツを分解して錆を落とすことができます。
ケースとブレスの接合部分、ケースと裏蓋の隙間などは、素人にはケアが難しい部分です。
そもそも、パーツを分解して初めて錆に気づくこともあるかもしれません。
プロに任せれば、どんなにひどい錆でも下記のツールによって、劇的にキレイになることもあります。
- 時計専用のサビ取り剤
- 超音波洗浄機
パッキンが劣化していれば、同時に交換もしてもらえるでしょう。
時計の症状や修理内容について、詳しい説明も期待できます。
時計の錆の修理料金
ケースやブレスについた錆の除去だけなら、3,000円~5,000円程度で済むこともあります。
ただ、錆の程度や発生している箇所は、当然ですが時計によって異なります。
そのため、錆の修理料金は、実際に時計を診てもらわなければ正確にはわかりません。
錆がひどければ、修理料金を予測するのも難しいでしょう。
錆の除去だけでは済まず、部品交換が必要であれば、プラスアルファで部品代もかかります。
時計を分解したら想像以上に錆がひどく、ケースの内側、針、文字盤、ムーブメント……
といった具合に、あらゆる部分のケアや部品交換が必要になるケースも少なくありません。
そうばれば、部分修理やオーバーホールなども絡み、修理料金が驚くほど高額になることもあります。
錆の修理は時計店やメーカーに相談するのが一般的ですが、メーカーでの修理は部品交換がされやすく、修理料金も高くつく傾向があります。
それ以前にメーカーでは修理を断られてしまうことも多いので、困った時は親身になってくれる時計店にまずは相談してみましょう。