時計の修理やオーバーホールの依頼先には、大きく分けると次の2つがあります。
- 正規のメンテナンスサービス(以下「メーカー」という)
- 街の時計修理店(以下「修理店」という)
このうち、当記事ではメーカーに修理やオーバーホールを依頼する場合のメリットとデメリットについて詳しく解説しています。
メーカーに依頼するメリットとは?
- 安心感や優越感を得られる
- 保証が手厚い
- 売却時に査定額がUPすることがある
以下に、それぞれについて詳しく解説します。
安心感や優越感を得られる
その時計およびブランドに精通した技術者、つまり専門家たちによるメンテナンスが受けられるのは、メーカーに依頼する大きなメリットです。
交換部品には全てメーカーの純正品が使われ、そこに偽物が入り込む余地などは、当然ですがありません。
メンテナンス後も時計を安心して使え、次回メンテナンスを依頼する際も「もし、ガチャだと言われたら・・・」といった余計な心配とも無縁です。
また、人によっては、メーカーでメンテナンスを受けること自体に優越感やステータスを感じるかもしれません。
保証が手厚い
メーカーでも修理店でも、大抵メンテナンス後は保証が用意されています。
修理店の保証期間は、長くても1年間というのが一般的で、6ヶ月のところも少なくありません。
対して、メーカーの保証期間は1年間は当たり前で、スウォッチグループの各ブランドやロレックスなどは2年間に設定されています。
売却時に査定額がUPすることがある
ロレックスを例にすると、メーカーでメンテナンスが施された時計には「修理証明書(国際サービス保証書)」が発行されます。
これによって、2年間の修理保証が受けられるのは、既にご説明した通りです。
加えて、時計が正真正銘本物であることの証にもなります。
さらに、部品は全てロレックスの純正品のみが使われている証拠にもなるので、購入者に安心感も与えられます。
ロレックスは偽物が多い(それだけ人気がある)からこそ、この修理証明書(国際サービス保証書)の価値が売却の際に認められやすいという側面もあります。
ただ、ロレックス以外のブランドでは、査定額にあまり影響しないかもしれません。
メーカーに依頼するデメリットはある?
- 料金が高い
- 納期が遅い
- 色々と融通が効かない
以下に、それぞれについて解説します。
料金が高い
時計の状態が悪く、多数の部品交換が必要な場合は、メーカーよりも修理店に依頼したほうが料金が高くなることがあります。
ただ、そのようなケースは稀で、大抵はメーカーのほうが高くなります。
修理店は過剰な修理を避け、極力使える部品は残そうとするのに対し、メーカーは部品の在庫が豊富なので、部品の交換も積極的に行う傾向があります。
また、メーカーは修理費用を抑えることよりも、時計としての性能や美観を完全回復させることを優先します。
そのため、料金はどうしても高くなりがちです。
納期が遅い
修理店では、オーバーホールの納期が約1ヶ月。
中には最短2週間~3週間で対応しているところもあります。
対してメーカーでは、およそ1ヶ月~2ヶ月というのが一般的です。
丁寧、確実に対応してもらうのが一番ですが、「それにしても遅すぎでは・・・」と感じることも少なくないでしょう。
色々と融通が効かない
修理店では相談の上で、気になる部分だけを修理してもらうこともできます。
対してメーカーでは、不具合がある部品はユーザーの想いとは無関係に全て交換されてしまうなど、融通が効かないケースが多々見られます。
例えば、長く使い込んで味が出た針や文字盤を交換したくない人は多いと思います。
しかし、それらにサビなど劣化が見られれば、メーカーは「交換必須」と判断するでしょう。
交換を拒否すればメンテナンス自体が受けられない、なんてこともあり得ます。
まとめ
時計の修理オーバーホールをメーカーに依頼するのは、メリットとデメリットの両方があります。
メーカーと修理店のどちらを選ぶかは、極論すればその人の価値感次第ということになります。
ただ、本当に料金が高いかどうかは、実際に見積もりを依頼してみなければわからないものです。
「交換されてしまうかも・・・」と心配なパーツも、もしかしたら交換不要でメンテナンスを受けられるかもしれません。