ロレックスにしては攻めたデザインのエアキング(Ref.116900)。
エアキングの情報をネットの掲示板などでチェックしていると、「人気がない」という書き込みをたまに見かけることがあります。
ただ、細かくチェックしていくと、そういった書き込みはもう何年も前にされたものがほとんど。
今では逆にエアキングの人気は高まる一方で、その良さを見直すような書き込みも多く見られます。
そこでこの記事では、実際にエアキングを所有している私が、エアキングに対するネットの評価を分析。
合わせて、オーナー独自の視点でエアキングの質感や使用感についてレビューしたいと思います。
目次
ロレックスエアキングは人気ないと言われる理由
エアキングに関する否定的な意見として、よく目にするのは次の5つです。
- 正規店でも見かける確率が高い
- ゴチャゴチャした文字盤のデザインが好みではない
- ケースサイズが大きすぎて自分の腕には合わなそう
- ケースが厚く重量もあるため使いにくそう
- パワーリザーブが48時間なのは物足りない
これらの意見が直接エアキングの人気にも関係していそうです。
正規店でも見かける確率が高い
これについては、もう何年も前の話。
2018年頃までは、エアキングが正規店のショーケースに当たり前のように並んでいました。
かつてエアキングは、ミルガウス、エクスプローラー2らと並んで「スポロレの3大売れ残りモデル」などと揶揄されていました。
それが今となってはご存知の通り、正規店では無いのが当たり前。
エアキングに限らずステンレスモデルは、デイトジャスト等のドレスウォッチを含めて正規店の店頭からはほぼ完全に姿を消してしまいました。
ゴチャゴチャした文字盤のデザインが好みではない
エアキングの文字盤のデザインは、好き嫌いがハッキリと分かれるようです。
嫌いという人の中には「ゴチャゴチャしていて見辛い」という意見が多くあります。
また、シニア世代(50歳以上)のロレックスファンの場合、年相応ではないという判断から購入対象から外されるケースも少なくないようです。
ケースサイズが大きすぎて自分の腕には合わなそう
エアキングの40mmというケースサイズは、手首が細い人には大きすぎてバランスが悪いと感じることもあるようです。
39mmのエクスプローラー(Ref.214270)ですら同様の意見をよく目にするので、これは手首が細い人にとっては重大な問題といえそうです。
ちなみに、サブマリーナやGMTマスター2をはじめ回転ベゼルのモデルは、ケースサイズが40mm以上あっても意外に大きさを感じないものです。
逆にスムースベゼルは、大きく見えやすいという特徴があります。
ケースが厚く重量もあるため使いにくそう
エアキングのケースの厚さは13mm、時計全体の重量は約155gです。
参考までにエクスプローラー(Ref.214270)と比較してみると、厚さは1.5mm、重量は19g、どちらもエアキングのほうがボリュームがあります。
厚さがあるとシャツの袖に引っかかったり、机や壁などにぶつけてしまったり、といったことが気になります。
重量があると、それだけで身に付けるのがストレスになることもあります。
パワーリザーブが48時間なのは物足りない
2015年のバーゼルワールドで発表されたデイデイト40を皮切りに、ロレックスの新型モデルには軒並み70時間のロングパワーリザーブを誇るCal.3200番台のムーブメントが搭載されるようになりました。
そんな中、エアキングは依然として48時間のパワーリザーブのCal.3131を搭載したまま。
そのため、「48時間では物足りない」「新型が出たら購入しようかな」というロレックスファンも中にはいるようです。
ちなみに、エアキングは2022年に廃盤が予想されるモデルの筆頭と言われています。
完全廃盤も考えられるので、その動向からは目が離せない状況です。
ロレックスエアキングのサイズ感や質感は?
エアキングのケースが大きく、厚く、重いというのは先にも書いた通りですが、これにはそれなりの理由があります。
既にご存知かもしれませんが、エアキングはミルガウスと非常に重要な部分においての共通点を持っています。
まず、ムーブメントは同じCal.3131を搭載しています。
さらに、ムーブメントを磁気の影響から守るためのインナーケース(磁気シールド)がケース内に収められている点も同じです。
つまり、エアキングもミルガウスと同じ耐磁時計で、それはパイロットウォッチというエアキングのコンセプトとも合致しています。
にも関わらず、ロレックスはエアキングが耐磁時計であることをなぜか全くと言っていいほどアピールしていません。
エアキングのケースが大きく、厚く、重い理由がわかれば、エアキングに対する評価も大きく変わるのではないでしょうか。
手首周り17cmの私が身に付けても確かに大きくは見えますが、十分許容範囲です。
見た目に不自然な感じは一切ありません。
SSブレスの付け心地はとても滑らかで、さすがロレックスといった感じ。
ケースとブレスのバランスも良く、ケースが手首の上でグラつくようなこともありません。
ただ、ケースの厚さや重さについては、気にならないと言えば嘘になります。
というより、主に厚さが原因で、常にどこかにぶつけてしまうのではないかという不安があります。
そのため、なかなか気軽には使用できないというのが正直なところ。
時計の傷は一切気にしないという人でない限り、エアキングは使用するのに多少神経を遣う時計だと思います。
文字盤で唯一気になる点は、やや高級感に欠けるところ。
▼と3・6・9のアワーマーカー以外は凹凸がなく、全て真っ平らなのがその原因のような気がします。
ただ、グリーンの秒針と「ROLEX」のロゴ、筆記体の「Air-King」の文字、イエローの王冠などはエアキングならではのデザインで、センスの良さを感じます。
ロレックスエアキングのレビューまとめ
かつては人気がないという声も聞かれたエアキングですが、今やその人気は高まる一方。
スペックはミルガウスと同等でありながら、ミルガウスよりも定価で20万円以上安いのは、どう考えてもコスパが良すぎます。
今後改廃などがあればさらに人気が加速し、より購入難易度が上がるのも必至。
ただ、ケースの大きさや厚さ、重さなどからして、決して万人にとって使いやすい時計とは言えないでしょう。