静岡市葵区古庄に店を構える「時計堂」にお邪魔して、ロレックスのGMTマスター2の旧型(Ref.16710)を見せていただきました。
Ref.16710はGMTマスター2の2代目にあたるモデルで、拝見したのは通称「コーク」と呼ばれているベゼルが赤黒のタイプです。
そのコークがあまりにも魅力的だったので、以下に質感や着用感などについてレビューしたいと思います。
あわせて時計堂の特徴や取扱商品についてもご紹介します。
目次
GMTマスター2(Ref.16710)とは
Ref.16710はGMTマスター2の2代目
2代目のRef.16710について語る前に、まずは初代モデルのRef.16760について軽く触れておきましょう。
GTMマスター2の初代モデルとなるRef.16760は、1983年~1988年という短期間しか製造されておらず、製造本数も少なかったため、希少価値の高いモデルとしてマニアの間ではよく知られています。
Ref.16760は初代コークベゼルと呼ばれ、ベゼルカラーは赤黒のみの展開でした。
これは同時期に販売されていたGMTマスター1(Ref.16750)との差別化を図るのが目的であったと考えられています。
また、Ref.16750の風防がプラスチックであったのに対し、Ref.16760の風防はサファイアクリスタルであったことから、GMTマスター2をGMTマスター1の上位機種として位置付けていたことも理解できます。
Ref.16710には当初、赤青ベゼルが存在しなかった
今回の主役、GMTマスター2の2代目にあたるRef.16710は、1990年~2007年まで製造されていました。
当初Ref.16710のベゼルカラーは赤黒と黒の2種類のみで、赤青の展開はありませんでした。
それが、GMTマスター1の最終モデルにあたるRef.16700の製造が1999年に中止されたタイミングで、Ref.16710にも赤青が加えられたという経緯があります。
Ref.16710の特徴、Ref.16760(初代)との違い
Ref.16760のムーブメントがCal.3085であったのに対し、Ref.16710はCal.3185に変更されました。
それに伴い、ケースの形状もスリムに。
Ref.16710は約18年という長期間の製造だったため、同じ品番でも年代によって細かな違いを確認することができます。
具体的には、1997年までの個体にはダイアルに「T<25」の表記があり、トリチウム夜光が使用されていますが、1998年~1999年の個体にはルミノバが使用されています。
また、2000年以降の個体にはスーパールミノバが使用されており、他にも細かな違いがいくつかあります。
GMTマスター2(Ref.16710)は退色したベゼルも魅力的
時計堂で見たRef.16710は、1999年製でした。
今から22年前に製造された個体ですが、年数相応かそれ以上にベゼルの赤が退色しているのが印象的です。
アルミ製ベゼルの経年変化を愉しめるのは、現行品にはない旧型ならではの魅力といえます。
実際、アルミ製ベゼルの質感を好むコアなファンは多いですが、ご存知の通り現行品のGMTマスター2にはアルミ製のモデルは存在しません。
全てセラミックになっていますね。
アルミからセラミックに置き換えられた背景には、1つロレックスの機能性に対する強いこだわりが秘められています。
完璧な機能性を追求するロレックスとしては、アルミ製ベゼルに傷が付いたり退色したりすることは、許容できない機能低下と捉えていた節もあったようです。
そのため、今後新たにアルミ製ベゼルのモデルが誕生することは有り得ないでしょうし、旧型の価値は益々上がっていくといったようにも考えられます。
GMTマスター2(Ref.16710)はサイズ感と重量バランスが絶妙
Ref.16710のケースサイズは、幅が40mm、厚さは約13mmです。
ロレックスのプロフェッショナルモデルとしては標準的な、とても安心できるサイズ感です。
さらに、腕に嵌めてちょっと驚いたのは、付け心地が極めて快適だということです。
これは、おそらくブレスの中央の列が空洞であるため、それによってケースとブレスの重量バランスが絶妙に保たれているのが原因であると考えられます。
全体の重量は125gほどで、軽すぎず重すぎずの丁度いい感じ。
シャツの袖にも難なく収まり、視認性の良さは言わずもがなです。
ベゼルがいい感じに退色しているせいか、赤と黒によるツートンカラーも全くと言っていいほど派手さが感じられません。
現行品はセラミックの質感も相まって高級感が強すぎる、といった理由でなかなか普段使いができない人も多いようです。
しかし、このRef.16710なら、割りと気軽にどんなシーンでも身に付けられそうな感じがします。
とはいえ、Ref.16710の現在の中古相場は160万円ほど。
価格的には、全く気軽に手を出せるような代物ではありませんね。
他のロレックス同様に、近年このRef.16710にも異常なまでの価格高騰が起こっています。
GMTマスター2(Ref.16710)のスペック
型番 | Ref.16710 |
---|---|
素材 | ステンレススチール(ケース・ブレス)/アルミニウム(ベゼル)/サファイアクリスタル(風防) |
ケースサイズ | 40mm(幅)/約13mm(厚さ) |
重量 | 約125g |
文字盤カラー | ブラック |
ムーブメンメント | 自動巻 Cal.3185、Cal.3186 |
パワーリザーブ | 48時間 |
防水性能 | 100m |
製造期間 | 1990年~2007年 |
中古ロレックスやオリスの人気モデルが揃う時計堂とは
時計堂は時計の販売と修理以外にも、ジュエリーを豊富に取り揃えている静岡市にあるお店です。
自店でほとんどの時計のオーバーホールができるほどの技術と知識を持っている、そんな時計修理技能士が接客においても親切丁寧に対応してくれます。
時計で1番人気があるのはロレックスの中古品だそうで、伺った当日はGMTマスター2の他にもサブマリーナやオイスターデイト、あとオメガやブランパンなどの珍しいモデルも展示されていました。
日々相場をチェックしていて、中古時計の価格にはかなり自信があるそう。
静岡県内では数少ないオリスの正規取扱店でもあり、新品のオリスが20本ほど展示されていました。
ダイアルに再生PET樹脂を使用した話題の新作、アクイスデイトのマルチカラーも早速入荷していました。
PET樹脂はリサイクルの段階で無作為に模様が形成されるため、新品なのにダイアルの模様が全部異なるのが特徴。
要はどれも1点モノなので、周りと絶対に被らない時計が欲しいという人にはピッタリ。
時計堂では顔の見える取引を大切にしていて、お客さんからの相談はできる限り何でも対応するように心がけているそうです。
通販は基本的には行っていませんが、相談内容によっては対応が可能なことも。
時計堂の基本情報
店名 | 時計堂 |
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住所 | 静岡市葵区古庄5丁目9-40-1 |
電話番号 | 054-262-1000 |
FAX | 054-262-1001 |
営業時間(※1) | 9:00~19:00 |
定休日 | 日曜 |
駐車場 | あり(店舗の脇に専用駐車場があります) |
アクセス | ■電車の場合:静岡鉄道「古庄駅」より徒歩7分 ■車の場合:東名高速道路「日本平久能山スマートIC」より約15分 |
Webサイト | 時計堂ホームページ |